どうもこんにちは、じょんです。
地球上、最後の潜在的市場として近年非常に注目が集まっている『アフリカ』。
皆さんもなんとなく、
『これからはアフリカの時代が来る!』
という話を聞いたことがあるのではないでしょうか。
ただ、筆者のように、具体的に今アフリカで何が起きているのかはあまり詳しくない、
そんな方に是非オススメなのがコチラの本。
筆者の椿進さんは、東京大学を卒業し、BCGのMDとしての経歴をお持ちであり、
今はアフリカを含む新興国での新規授業育成等を行うコンサルティング会社、
『Asia Africa Investment and Consulting』の代表パートナーを務めている、
アフリカの専門家といっていいお方。
今回はコチラの本から、筆者が気になった点を3点取り上げて解説していきます。
あまり知られていないアフリカの大きさ
突然ですが、アフリカってどのくらい大きいかご存知でしょうか?
漠然と大きいというイメージは皆さんお持ちだと思いますが、
なんと米国、中国、欧州、インド、日本がすっぽりと収まってしまう程に大きいというのです。
筆者の感覚からすると、アフリカというと、どうしてもひとまとめで考えてしまいがちで、
企業でみてもアフリカ進出に向けてとにかくアフリカに支店を置くということがあるかと思います。
ただ、当然それだけの広さを1つの『アフリカ支社』でカバーすることなど現実的ではありません。
本書の表現では、『東京支店がシアトルとドバイの双方をカバーする』ことと地理的には等しく、
どれだけ非現実的な話か実感できるのではないでしょうか。
イメージとは全く異なる気候
筆者はアフリカと聞くと『とにかく暑そう』というイメージを持っていましたが、
これもどうやら事実とは異なるようです。
もちろん、アフリカには砂漠もジャングルもあり、そういった地域では猛烈な暑さが通常なのですが、
例えば赤道直下にあるルワンダなんかでは、標高が高い関係で、
1年中『夏の軽井沢』状態で、むしろ東京なんかよりよっぽど過ごしやすいというのです。
先ほどの面積の件もそうですが、こういったファクトを聞くと、
自分が今までいかにアフリカについて偏った知識をもっていたのか気づかされますね。
もう一つファクトについて触れておくと、
アフリカ全体での中位年齢はなんと19.7歳と10代なんだそうです。
48.4歳が中位年齢の日本とは比較にならないくらい若く、
それだけ将来のポテンシャルを秘めているということが言えるでしょう。
LEAPFROGを可能とさせる背景
本書では、これまでに触れたアフリカのファクトに続いて、
アフリカで起きている『LEAPFROG』の一端が紹介されています。
ちなみに『LEAPFROG』というのは、直訳すると『蛙飛び』のことですが、
まだインフラ整備等が発展していない新興国において、
技術革新により、先進諸国が歩んできた技術進歩の過程を飛ばして、
急激にイノベーションが浸透することを指します。
例えば、アフリカを含む多くの新興国においては、
固定電話を設置するという過程をすっ飛ばして、今では多くの国民がスマートフォンを持っている。
これも一つのLEAPFROGと言えるのです。
LEAPFROGの実例として、ケニアのモバイルマネー『M-PESA』、
ルワンダとガーナでドローンを用いた血液や医療品の輸送を行う『Zipline』
なんかが紹介されています。
筆者が注目したのは、そのLEAPFROGそのものというより、
なぜLEAPFROGが起きたのか、その背景についてです。
先に挙げたZiplineの例では、ドローンを用いることで、
整備が十分とは言えない道路を陸送する場合と比べて、
圧倒的に早く、かつ安全にモノを輸送することが出来るわけです。
ではこのサービス、日本で同じことが出来るかと聞かれると、
多くの方は、現実的ではないと考えるはずです。
恐らく現実はその通りで、特に都心部では高層ビルやマンションが立ち並んでおり、
仮にドローンを正確に飛ばすことに技術的な問題がなくとも、
規制の関係で、自由にドローンを飛ばすことが認められるには、まだまだ時間がかかるというのが現状でしょう。
同様に、UBERが日本に入ってきた際にも、既存のタクシー会社との摩擦の関係から、
今だに日本ではUBERが市民権を得るに至っていないことも、皆さんの感じるところではないでしょうか。
(むしろUBERと聞くと、UBER EATSしか思い浮かばない方もいるかと思います)
つまり何が言いたいかというと、
日本を含め、先進国においては、既に既得権益が成り立っており、
こういった革新的な技術が生まれる際には、既得権益社が枷となって、
イノベーションを潰しにかかるということが往々にして見られるわけです。
ですから、世界的なトレンドとして、各国のスタートアップは、
こぞってアフリカでの実証実験を行い、ある程度の算段が纏まった段になって初めて、
自国での正式な導入を行うために動き出しているというのです。
本書によると、日本の企業で現地に進出しているものもあるようですが、
こういったイノベーションをアフリカに持ち込んでいる事例は見当たりません。
今後、日本からもそういった企業が出てくることを期待せずにはいられませんね。
さいごに
いかがでしたでしょうか。
本書には、恐らく皆さんの多くがイメージしているアフリカ、
その姿とは大きく異なる面が描かれており、大変勉強になりました。
アフリカに興味がある、けど、そんなにアフリカのことを知らない。
そんなあなたにとって、最初の1冊に本書はうってつけかと思います。
それではまた。
コメント