どうもこんにちは、じょんです。
皆さんは『J-Startup』ってご存知でしょうか?
前回のFUNDINNOに関する記事でスタートアップの1つであるクレサヴァ社について調べたことをきっかけに
『日本にも面白いスタートアップがあるんだなぁ』
と気づかされまして、日本のスタートアップについて調べた結果たどりついたのがこの『J-Startup』でした。
これ何かというと、『国によるスタートアップを支援するプログラム』の名称なのですが、
今回はこの『J-Startup』について、筆者が調べてみた結果をまとめていきます。
ユニコーンの世界分布
皆さんの中には『ユニコーン』という言葉を聞いたことがある方もいるかと思いますが、
『企業価値あるいは時価総額が10億ドル以上の未上場スタートアップ』のことを指す言葉として、
近年ニュースでもよく見かけるようになりました。
日本では有名なところでいうと、ご存知『メルカリ』がユニコーンに該当していましたが、
2018年に上場したことで定義からは外れるに至っています。
さてこのユニコーン、日本には今どのくらいの数があると思いますか?
未上場企業が対象であり、評価額は評価者によって左右されるのですが、
21年6月時点では5~10社とされており、馴染みのある会社でいうと、
ニュースアプリを手掛ける『スマートニュース』も含まれています。
では世界ではどのくらいの数のユニコーンがあるかというと、米国の調査会社 CB Insightsによると、
21年6月時点で701社に上るとされています(同調査結果においては日本のユニコーンは5社とされています)。
国別に見ると、米国が最多で369社、中国が138社、インドが32社と続き、日本の5社は11位にランクインしています。
どうでしょうか?圧倒的に少ないですよね?
この背景には、米国や中国との比較で、スタートアップを支援する仕組みが圧倒的に少なく、
VCによる投資額も桁が2つは違うということもよく聞く話です。
そんな中で、
『日本からも優秀なスタートアップを世界にはばたかせよう!!』
という趣旨で経済産業省が作った仕組みが『J-Startup』なのです。
J-Startupの仕組み
J-StartupのWEBサイトから読み取れたプログラムの概要は以下の通りです。
推薦対象
どうやら推薦対象となる事業は以下に限定されているようです。
- ディープテック型
- プラットフォーム型
- SDGs型
いずれも昨今話題となっている業界であり、やはり世界と戦っていく上ではこのあたりの領域に注力していきたいうことなのでしょう。
逆に言えばどんな事業でもJ-Startupの対象に含まれるわけではないという点に注意が必要です。
推薦基準
次に推薦基準ですが、スタートアップが掲げる以下の要素を中心に、推薦すべきか否かの判断がなされるようです。
- ミッション
- 独創性
- 成長性
当然に、対象事業に属する企業であれば推薦を受けられるというわけではなく、
上記のように、世界と戦っていくだけの潜在能力を秘めている企業か否かという観点で、
推薦の可否が判断されるようです。
推薦委員/外部審査委員
では上記基準に従って誰が推薦するのかという点ですが、
トップベンチャーキャピタリスト、アクセラレーター等、ベンチャー支援の経験があり、
十分な経験と実績を有する方が経産省の事務局より指名され、
日本のスタートアップ10,000社の中から一押しの企業を推薦することとなっています。
J-StartupのWEBサイトには顔写真付きで推薦委員が紹介されているので、興味のある方はご覧頂ければと思います。
また、推薦委員により推薦された企業について、外部審査委員会が推薦内容を尊重しつつチェックを行い、
厳正な審査を経てJ-Startup企業として選定されるという流れになっています。
J-Startup企業が得られる支援内容
上記の流れを経て初めてJ-Startup企業として認定されるわけですが、
では認定されるとどのようなメリットがあるのかについて調べてみました。
認定された企業はファイナンス支援やマッチング支援、海外展開支援等、様々な支援を受けることが可能です。
また支援の内容は政府による支援と民間による支援とに大別できます。
政府による支援
政府による支援として、WEBサイトでは例として以下が挙げられています。
- J-Startupロゴの使用(選定企業としてのブランディング)
- 特設ホームページ、国内外メディアによるPR
- 大臣等政府の海外ミッションへの参加
- 海外・国内大規模イベントへの出展支援
- 各種補助金等の支援施策における優遇、手続きの簡素化
- ビジネスマッチング(大企業幹部、省庁等への個別のつなぎ)
- 規制のサンドボックスの積極活用
- 規制等に関する要望への対応
民間による支援
同様に、民間による支援として、WEBサイトでは例として以下が挙げられています。
- 事業スペースの提供・料金優遇
(オフィス・工場空きスペース・研修施設・ショールーム等) - ロボット、製品・部品、インフラ網等を使った実証実験への協力
- 検証環境や解析機器の提供
- アクセラレーションプログラム、モノづくり支援プログラムの優遇
- 専門家・ノウハウを持つ人材によるアドバイス
- 自社顧客・関係会社等の紹介
なお、海外の起業家の日本への誘致を目的として、
『Startupビザ』と呼ばれる、国の認定を受けた自治体において、海外の起業家の在留資格要件を緩和し、
起業のための在留資格を現状より6ヶ月前倒しで獲得可能とする仕組みも整備されているようです。
J-Startup企業の概要
WEBサイトには対象企業が一覧化されていますが、現時点では138社がリストに載っており、
有名なところではSansanやスマートニュース、メルカリ、ラクスルなんかがリストアップされています。
一方で、筆者は聞いたことがない企業が大半であり、企業のロゴや社名からは、
何をやっている会社なのか検討もつかないものも多数含まれていますので、
私たちの知らないところで、世界と戦うべく日々励んでいる会社がまだまだ日本にはあるのだと気づかされました。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
まだあまり世に知られていない将来有望なスタートアップが何をやっているのか、どういったことを実現させたいのかを知ることで、
日本の、そして世界の未来を少しだけ見ることが出来るかもしれないと考えると面白いですよね。
みなさんも是非、それぞれの企業の概要を調べてみてはいかがでしょうか。
J-Startupのリストを眺めてみるだけでも面白いですよ。
それではまた。
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