【売買手数料払いすぎていませんか?】金融機関による3つの罠を解説

資産形成

どうもこんにちは、じょんです。

今回は老後の資産形成に関する学びを求めてこの本を読んでみました。

『55歳からでも失敗しない投資のルール 』

著者の五十嵐修平氏は東証一部上場の証券会社出身であり、お客様の利益よりも企業の利益を追求するやり方に違和感を覚え独立したというお方。

本書で書かれているルール自体は正直、他の投資関連の本と内容はほぼ変わりませんので今回は触れませんが、やはり証券会社出身ということもあり、皆さんの預貯金を狙う『金融機関の罠』については参考になるところもありましたので、今回はその点にフォーカスして解説していきます。

本書は以下のような方には是非オススメです。

こんな方にオススメ!

  • これから資産運用を始める方
    ⇒資産運用の大まかなルールを学べます
  • 相続により突然多額の資産を手にしたもののどう運用したらいいか悩んでいる方
    ⇒事前に一度目を通しておくことで、金融機関の罠にかかるリスクを低く抑えられます
  • 金融機関への就職/転職を検討している方
    ⇒金融機関の裏側を知ることで入社してからのギャップを小さく出来ます

一部の資産に偏った運用

まず前提として知っておくべきは金融機関、特に証券会社の収益源ですが、これはずばり『売買手数料』なんだそうです。

売買手数料というのは、お客さんが株式や債権などの金融商品を売買する際に、金融機関が受け取る手数料を指します。

ここで、察しの良い方であればわかるかと思いますが、金融機関からすれば、お客さんによりたくさんの金融商品を売買させることで、彼らの収益は高くなるということを意味します。

この点、例えばお客さんが手数料のかからないノーロード型のインデックスファンドを購入し、長期での運用を希望しているとしたら、金融機関からすれば全く儲からないわけです。

ですから、金融機関の営業マンというのは言葉巧みにお客さんに対して、頻繁に売買を行うような投資の手法を進めているというのです。

その1つの手法として、上記のように長期運用を前提としたインデックスファンドではなく、個別銘柄の購入をお客さんに対して進める傾向があるようです。

個別銘柄はインデックスファンドとの比較で相場が変動しやすく、変動に応じて『より有望な銘柄があるからこちらに乗り換えませんか?』といった営業トークを行いやすいという背景があるとのこと。

また、最近では米国株投資にあやかって外国株式を進めるケースも多くなってきているようですが、外国株式は日本株との比較でやはり株価の変動が激しい傾向にあり売買の頻度を上げることができ、また、売買手数料も国内株式より高く、さらには為替手数料も受け取れる、金融機関にとっては非常に収益性の高い商品なのだそう。

確かに最近ネット証券から届くニュースレターのトピックはほとんどが外国株に関するものですが、そういった背景があるのかと知ると大分納得感がありますね。

高分配ファンド

次は毎月分配金がもらえるといった謳い文句でお客さんを集めている『高分配ファンド』ですが、こちらも五十嵐氏によれば投資してはいけない商品であるそうです。

なぜならこの高分配ファンドからお客さんが得られる分配金のほとんどは『元本払戻金』、つまりは自分たちが払ったお金が戻ってきているだけなのです。

ちゃんとした収益があがっているファンドであれば、分配金の原資はその収益といえるのでしょうが、まともに収益を上げられなかった結果、分配金の原資として投資家からの投資資金が回されるというケースは多いとのことでした。

そして問題は、投資資金が分配金から払い戻されるとファンド自体の基準価格が下がってしまう点にあります。

この基準価格というのはファンドの価格のことを指し、儲かっていればその分価格は積みあがっていくのですが、今回のように分配にあたり元本を払い戻すということは、ファンドのお金が減ることを意味しますから、結果として基準価格も下がることになります。

定期的に分配金が入ってくることから、『いい投資をした』と思って気を緩めていると、将来大きな資金が必要となって投資を売却しようとした際には、分配された分だけ基準価格は下がっていますから、大したお金にはならずに困ってしまう、なんてことにもなりかねないわけです。

一見してオトクなキャンペーン

最後に良く街中でも見かける『キャンペーン』について、金融機関の窓ガラスなんかに最近ではiDeCoなりNISAの開始を促すようなキャンペーンのポスターを見かけませんか?

本書で例として挙げられているのは『今NISAを始めると定期預金の金利が3%になりますよ!』というキャンペーンです。

これ、低金利時代において3%の金利というのは超のつく高金利ですからなんともお得感のあるキャンペーンだと一見すると思ってしまうのですが、ポスターには小さく条件が書かれているんですね。

例えばNISA口座での購入対象として『購入時手数料が0円の投資は対象外』といった文字が小さく書かれているわけですが、今では購入手数料がかからないノーロード型の投資信託が増えているなかで、それらを対象に含まないということはすなわち、購入時の手数料で金利の増加分をカバーできるという金融機関側の思惑があるからに違いありません。

また、同じく脚注に小さく『金利の優遇は3カ月のみの適用』と書いてあったりもするようで、いかに3%が高い水準であっても、3カ月限定では得られる利益はたかが知れていますから、申し込む側からすれば、投信の購入手数料と、金利の上昇から得られる金利とを比較してからでないと、結果として損をしてしまう可能性があるというのです。

このようにポスターの脚注なり小さな文字で説明を付すといった手法はどの業界でも多かれ少なかれ違法にならない範囲でも広く行われている手法なのでしょうが、大金を預かる立場にある金融機関も堂々と行っているというのは、正直筆者からすれば限りなく黒に近いグレーと言えるのではないかと考えています。

さいごに

いかがでしたでしょうか。

少し上の世代からすると金融機関というのは『頼りになる存在』という認識が強いのかもしれませんが、筆者の世代なんかからするとマージンを抜くだけで社会への貢献が少ない存在という厳しい評価も周りからは聞こえてきますので、どこも生き残りをかけて必死に営業を頑張っているのだと思います。

とはいえ、その営業によりお客さんが損失を被っているのだとすれば、やはり筆者としては黙ってはいられないですし、もしかするとそういった営業をする人間なり企業というのはごく一部なのかもしれませんが、金融業界全体に対する見方もうがったものになってしまいますから、五十嵐氏のように是正をする動きが活版になっていけばよいですね。

それではまた。

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