売掛金・買掛金は商品売買特有の科目 – 商品売買➀【簿記3級解説#14】

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どうもこんにちは、じょんです。

今回は簿記を勉強する上で非常に重要な論点となる『商品売買』について取り上げていきます。

商品売買とは即ち、『商品を買って売る』という、多くの企業にとっての事業の根幹にあたるものであり、簿記を勉強する上で避けては通れない領域です。

その分、他の領域と比べてやや複雑なものとなっていますが、是非ここで身につけてしまいましょう。

今回のポイントは以下の通りです。

  • 買掛金・売掛金は商品の仕入・販売に使う勘定科目
  • 期中は仕入・売上を積みあげていくのみ
  • 決算時に売上に対応する売上原価を算出する

仕入時の会計処理

まずは商品を仕入れた際の会計処理ですが、例えば100円の商品を現金で仕入れた際の仕訳は以下のようになります。

借方 貸方
勘定科目 金額 勘定科目 金額
仕入 100円 現金 100円

非常にシンプルですね。

ただし、以前の解説で触れた通り、多くの企業では商品売買における決済を即時現金で行うケースは稀であり、多くの場合は『掛け』で行うことが一般的です。

ここでいう『掛け』というのは要はツケでの取引を指しますが、先ほどの例で挙げた100円の商品を仕入れた際に、掛けで仕入れた場合の仕訳は以下のようになります。

借方 貸方
勘定科目 金額 勘定科目 金額
仕入 100円 買掛金 100円

なお、ここでいう買掛金、以前に固定資産の解説においては、『買掛金』ではなく『未払金』という勘定科目を仕訳において用いていました。

今回の仕訳で『買掛金』を用いているのは、簿記のルールにおいては『商品売買』というのが特別視されており、固定資産等他の取引の処理とは取り扱いを異にしているということと理解してください。

これは、この後解説する売掛金についてもいえることで、他の取引であればツケでモノを売った際には『未収金』などの勘定科目を用いますが、『商品売買』の場合には『売掛金』を用いるわけです。

余談ですが、上記が原則ではあるものの、『買掛金』と『未払金』の境界があいまいな企業も現実には多いというのが筆者の感覚であり、企業の勘定明細を見ていると、本来は未払金を使うべきと思われる取引についても買掛金を使っていたり、その逆のケースも往々にしてありますが、実務上それが大きな問題となるケースは多くないというのが実情といえるのでしょう。

販売時の会計処理

さて、次は商品を販売する際の仕訳ですが、商品を掛けで120円で売った際の仕訳は以下のようになります。

借方 貸方
勘定科目 金額 勘定科目 金額
売掛金 120円 売上 120円

こちらもいたってシンプルですね。

ただし、先ほどの商品の仕入に関する仕訳と、上で挙げた商品の販売に関する仕訳は、それぞれただ1回の取引を表したものであり、これだけであれば利益が20円であることはすぐにわかりますが、企業の取引であればこれが年間数百万回といった数に上ることもありますから、全取引の結果として利益がいくら出たのかについてはこのままでは明らかになりません。

この課題を解決するのが決算での作業にあたる『決算整理仕訳』です。

決算時に売上原価を算出する

先ほど挙げた年間の取引の合計としていくらの利益が出たのかを把握することを目的とした場合、売上についてはシンプルで、年間の売上に関する仕訳を合計すれば、年間での売上合計が明らかになります。

難しいのは仕入の方にあり、販売した商品が全て同じ会計期間に仕入れたのであれば良いのですが、実際には昨年以前に購入した商品を当期に販売するケースもあります。

また、当期に仕入れた商品が売り切れずに、年度末時点で売れ残るケースも当然に考えられますから、『仕入=売上原価』という等式が成り立つケースは稀であり、決算時に売上原価の金額をいくらとするのかについての調整作業が必要になるわけです。

なお、『売上原価』というのは、商品やサービスを販売するのに直接要したコストのことを指し、例えば八百屋であれば、野菜や果物の仕入れ価格がこの売上原価の大部分を占めることになります。

売上原価は以下の式で算出します。

売上原価 = 期首商品棚卸高 + 当期商品仕入高 – 期末商品棚卸高

まず『当期商品仕入高』ですが、これは期中を通して計上された『仕入』勘定の金額を合計することで求められ、年間でどれだけの商品を仕入れたのかを表しています。

次に『期首商品棚卸高』ですが、これは期首時点で商品をどれだけ保有していたのかを指し、『期末商品棚卸高』は同じく、期末時点で商品をどれだけ保有していたのかを指します。

ですから、先ほどの売上原価の算出式というのは、期首に保有していた商品と期中に仕入れた商品の内、期末に売れ残った商品を差し引くことで、当期に販売した商品のコストが求められるということを意味しています。

『期首商品棚卸高』、『期末商品棚卸高』の求め方は次回に詳細を解説しますが、仮に『期首商品棚卸高』が100円、『期末商品棚卸高』が120円であった場合における決算時の決算整理仕訳は以下のようになります。

借方 貸方
勘定科目 金額 勘定科目 金額
仕入 100円 繰越商品 100円
繰越商品 120円 仕入 120円

先ほどの売上原価の算式をイメージしてもらうと理解しやすいかと思いますが、期首商品棚卸高は売上原価を算出する上では当期商品仕入高に加算するため、費用項目である『仕入』の加算ということで借方に『仕入』を持ってきます。

一方で、期末商品棚卸高は当期商品仕入高に対して減算しますから、貸方に『仕入』勘定が登場するわけです。

なお、2行目の仕訳により、資産項目である『繰越商品』が借方に計上される、つまりは資産として認識されることになります。

今回のまとめ

いかがでしたでしょうか。

商品売買において重要なのは、売掛金や買掛金等、他の項目の売買とは異なる勘定科目を用いる必要がある点、そして、決算時の売上原価の算出がややテクニカルであるという点ですので、この機会に是非覚えてもらえればと思います。

次回は商品売買の続きとして、『期首商品棚卸高』、『期末商品棚卸高』の金額の算定方法について解説します。

それではまた。

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