貸し倒れた際には貸倒引当金と比べる – 売掛金②【簿記3級解説#9】

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どうもこんにちは、じょんです。

今回は前回に引き続き売掛金の解説として、
貸し倒れや貸倒引当金についてもう少し掘り下げて解説を勧めていきます。

差額補充法とは

前回の解説で、各会計期間末において、将来貸し倒れが発生すると見込まれる部分について、
貸倒引当金を計上すると説明を行いました。
この点、1年目は将来貸し倒れると見積もられた金額と同額を貸倒引当金として仕訳を記録すればよいわけですが、
2年目以降はどのように仕訳を記録するのかが1つの論点となります。

例えば1年目に500の貸倒引当金を計上していたとして、
2年目の会計期間末時点で、将来貸し倒れると見積もられた金額が700の場合にどうするのか。

簿記の考え方では、既に500の貸倒引当金が貸借対照表に載っているわけですから、
700との差額である200のみ追加で計上すればよいという整理になります。

仕訳としては以下の通りです。

借方 貸方
勘定科目 金額 勘定科目 金額
貸倒引当金繰入額 200円 貸倒引当金 200円

このように差額分だけ貸倒引当金を積み増すことを簿記では『差額補充法(さがくほじゅうほう)』と呼びます。

要引当額が計上額より少ない場合

それでは逆に、2年目の会計期間末時点で、将来貸し倒れると見積もられた金額が300と、
1年目の計上額500より少ない場合にはどうするのか。

この場合には、500と300の差額である200を、貸倒引当金から減額する必要があります。
この減額を実務上は『取り崩す』と表現しますので、この表現も覚えてしまいましょう。

仕訳としては以下の通りとなります。

借方 貸方
勘定科目 金額 勘定科目 金額
貸倒引当金 200円 貸倒引当金戻入益 200円

ここで出てくる『貸倒引当金戻入益(かしだおれひきあてきんもどしいれえき)』というのは収益に区分される勘定科目です。
つまり、もともとは500貸し倒れる前提で500の費用を1年目に計上していたけれど、
2年目の時点では300まで減額されたため、1年目で200を余分に計上してしまっていたことから、
その費用分を戻してあげるという意味で収益として計上されるわけです。

実際に貸し倒れが発生したときは

これまでは、将来の貸し倒れの見積もりに関する説明をしてきましたが、
実際に貸し倒れが生じた際の仕訳はどうなるでしょうか。

例えば、売掛金300が貸し倒れた際の仕訳は以下のようになります。

借方 貸方
勘定科目 金額 勘定科目 金額
貸倒損失 300円 売掛金 300円

借方の『貸倒損失』は費用に区分される勘定科目で、
資産が減少し、その分が費用に振り替わっているわけです。

ただしこの例は貸倒引当金の存在を無視したもので、
例えば1年目に500の貸倒引当金を設定していたとして、
2年目に300の売掛金が貸し倒れた場合の仕訳は以下の通りです。

借方 貸方
勘定科目 金額 勘定科目 金額
貸倒引当金 300円 売掛金 300円

つまり、貸し倒れた300分については、既に1年目において見積もりで費用として計上していたため、
2年目に実際に貸し倒れた際には費用が計上されず、貸倒引当金の減額として対応するのです。

なお、同じ例で、2年目に貸し倒れた金額が600だった場合の仕訳は以下のようになります。

借方 貸方
勘定科目 金額 勘定科目 金額
貸倒引当金 500円 売掛金 600円
貸倒損失 100円

1年目に引き当てた500では貸し倒れの全額をカバーしきれませんので、
カバーしきれなかった100については当期の損失として認識されるわけです。

ちなみに実務では、貸し倒れが生じた際に、貸倒引当金を減額して当期の費用として計上しないことを、
『充当(じゅうとう)する』とよく表現されます。

今回のまとめ

いかがでしたでしょうか。

貸し倒れについて少し掘り下げてきましたが、今回のポイントは以下の通りです。

  • 当期末における要引当額と貸借対照表上の引当額との差額が処理される
  • 要引当額の方が貸借対照表上の引当額より少ない場合には戻入益を認識する
  • 貸し倒れが生じた場合には貸倒引当金を充当する

次は、売掛金の3回目として、貸倒引当金を更に深堀りしていきます。

それではまた。

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