引当金の処理は引き当てた時期が重要 – 売掛金③【簿記3級解説#10】

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どうもこんにちは、じょんです。

今回は前回に引き続き売掛金の解説として、
貸倒引当金の取り扱いを更に深掘りしていきます。

当期に発生した債権が貸し倒れた場合

前回の解説で、貸し倒れが発生した場合、貸倒引当金が設定されていれば、
貸倒に対して充当されるとの説明を行いましたが、厳密にはもう1つ前提条件が付きます。

それは、貸し倒れた債権が前期以前に計上されたものであるということ。

つまりは、1年目の会計期間末時点で計上されていた売掛金であれば、
1年目の決算における貸倒引当金の計上対象に含まれることになるため、
同売掛金が貸し倒れた場合には、引当金を充当することが出来るのです。

逆に2年目に新たに計上された売掛金が貸し倒れた場合にはどうなるかというと、
計上されている貸倒引当金はあくまで1年目に計上されていた売掛金に対するものですので、
同売掛金に対してはまだ貸倒引当金が設定されておらず、引当金は充当されません。

ですので、貸し倒れた売掛金額がそのまま2年目の貸倒損失として認識されるわけです。

このように、貸し倒れの際の仕訳を考える上では、貸し倒れた債権がいつ計上されたものなのか
が非常に重要になってくる点は覚えておいてください。

貸し倒れた債権が後日回収された場合

実務上、筆者は経験したことがない事象ですが、簿記では、一度貸し倒れの処理を行った債権が、
後日やはり回収された場合の取り扱いについても規定されています。

そしてこの処理については、いつ債権が回収されたのかという点が非常に重要な要素となります。

まずは、1年目に計上された債権500が同じく1年目に貸し倒れた場合の仕訳は以下のようになります。

借方 貸方
勘定科目 金額 勘定科目 金額
貸倒損失 500円 売掛金 500円

そしてここからが重要ですが、この債権が同じく1年目にやはり回収された場合にはどう取り使うべきでしょうか。

この場合、1年目に貸倒損失を認識したものの、同損失がキャンセルされたものとして、以下の仕訳を記録することになります。

借方 貸方
勘定科目 金額 勘定科目 金額
現預金 500円 貸倒損失 500円

つまり、先ほどの仕訳と合算すると、通常通り売掛金500が現預金で回収されたという結果が残るわけです。

一方で、貸し倒れた債権500の回収が2年目に生じた場合にはどうなるのかというと、
1年目には既に貸倒損失500が計上されてしまっており、かつ、会計期間を跨いでしまっているため、
貸倒損失を貸方に計上してキャンセルすることも出来ません。

ですので、この場合には、費用の減額(キャンセル)の代わりに収益を認識することになるのです。
仕訳は以下の通りです。

借方 貸方
勘定科目 金額 勘定科目 金額
現預金 500円 償却債権取立益 500円

貸方の『償却債権取立益(しょうきゃくさいけんとりたてえき)』が収益に区分される勘定科目であり、
1年目の貸倒損失と2年目の償却債権取立益とが見合って、2期を通年で見ると損益が相殺されるわけです。

この償却債権取立益が計上されるケースは非常にレアで、筆者自身は実務で出会ったことはありませんが、
簿記の試験においては売掛金に関する論点として出題される可能性は十分にありますので、
覚えておく必要があるでしょう。

今回のまとめ

いかがでしたでしょうか。

貸倒引当金関連で大分細かいところまで深掘りしてきましたがご理解頂けましたでしょうか。

今回のポイントは以下の通りです。

  • 貸倒関連の仕訳はいつ計上された債権が貸し倒れたのかが重要
  • 計上された期に貸し倒れた債権には貸倒引当金は充当されない
  • 貸し倒れた債権が後日回収された場合にはいつ回収されたのかによって仕訳が変わる

貸倒引当金は実務でも非常に重要性の高い項目ですが、
見積もりの要素を含むため、理解が難しい範囲でもあります。

簿記の試験に向けては1つの大きな壁となる項目ですので、
頑張って乗り越えていきましょう。

それではまた。

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