どうもこんにちは、じょんです。
先日、総務省統計局が最新の家計調査の調査結果を公表しました。
対象となる期間は2021年1-3月のものであり、対象世帯は2人以上の世帯となっていますが、
今回は調査対象の内、貯蓄残高について筆者が感じた点も踏まえてまとめていきます。
60歳以上の平均貯蓄額は2,000万円を超えているという事実
公表されている年齢別の貯蓄額等を基に筆者がまとめた表を以下掲載します。
これを見て多くの方はこう思うはずです。
『あれ?60歳以上の平均貯蓄額って2,000万円超えてるじゃん。』
少し前に話題になった、老後資金の2,000万円問題。
ここではその金額水準の是非については述べませんが、
『2,000万円ないと老後の生活が賄えません!』
というニュアンスで報道されたこの問題。
一方で、平均貯蓄額が2,000万円を超えている事実からは、
『なんだ、普通に生活していれば2,000万円は貯まるのね、問題なし!』
と思われる方も多いのではないでしょうか。
気を付けてください!!
この公表情報についてはあくまで『平均値』を取っているのであって、
『中央値』を取っているわけではない点に注意が必要です。
平均値と中央値の関係
平均値については説明不要かと思いますが、『中央値』については聞き覚えがない方もいるのではないでしょうか。
『中央値』というのは、複数ある標本(貯金額であれば各人)の内、数値の順位が中間となる金額のことを指します。
例えば5人の貯蓄額の中央値というと、5人の内、順位が中間となる3人目の金額が中央値となります。
『どっちも対して変わらないんじゃない?』
と思われる方もいるでしょうが、平均値についてはちょっとした弱点があるのです。
例えば、平均身長や平均年齢のように、各数値が平均から大きく乖離しない場合には、
平均値というのは比較的有用な情報をもたらす一方で、
平均から大きく乖離する値(統計学では『外れ値』と呼びます)を含む可能性があるもの、
例えば貯蓄額についていえば、その外れ値が平均値を歪めてしまう可能性があるのです。
貯蓄額を例に、平均値と中央値との関係を示すと以下の通りです。
貯蓄額のように青天井に数値が大きくなる可能性があるものにつては、
上の例のように外れ値(Eさん)があると平均値は大きく歪められてしまうのですが、
中央値であれあばそのような歪みが生じる可能性が低い点にメリットがあるのです。
先ほどの年齢別貯蓄額の数値はあくまで平均ですので、上の例のように外れ値により、
平均値が高く持ち上げられている可能性があるのです。
その意味で、60歳以上の貯蓄額が平均値で2,000万円を上回っているという情報は、
老後資金をしっかりと準備していかなければいけないという世相に反して、
やや誤解や根拠のない安心感を与えてしまう可能性もあり、
筆者としては、数値の示し方が適切ではないと考えてしまいます。
年齢別貯蓄額の視方
先に平均値と中央値の関係を説明しましたが、貯蓄額であれば一般に平均値は中央値よりも、
相当程度に高い水準となっている可能性があります。
(今回は中央値の情報は公表されておらず、確かなことはわかりませんが)
ですので、少なくとも平均値での年齢別貯蓄額との比較で、
皆さんの貯蓄額が上回っているようであれば、
同年代の方々よりもやや多くの貯蓄が出来ているというように捉えてよいでしょう。
またもう一点、公表されている数値には貯蓄額だけでなく、負債額も含まれている点にも目を向ける必要があります。
この負債額というのは、住宅ローン等の借入が含まれているわけですが、
40代までは負債額が貯蓄額を上回っている点も留意が必要です。
つまり、平均値でいえば、50代になってようやくローン等の負債額も小さくなり、
収入が伸びることも影響し、ようやく貯蓄額が負債額を上回っているわけですが、
皆さんも40代までに貯蓄額が負債額を上回っていれば、かつ、今後大きな負債を抱える予定がないようであれば、
資産形成のペースは十分に早いと言えるのではないでしょうか。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
あくまで参考までにということではありますが、皆さんの貯蓄額、純資産額(貯蓄額-負債額)が、
年齢別の平均値との比較でどの程度にあるのかという点は結構気になるところではないでしょうか。
もし平均値には届いていなくとも、貯蓄への意識を高めることで、必ず平均値は超えることが出来ます。
(筆者も20代は貯蓄はほぼゼロでしたが、30代半ばになり平均値を超えるだけの貯蓄を積み上げられました)
是非一緒に頑張っていきましょう。
それではまた。
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