どうもこんにちは、じょんです。
投資をされている方であれば誰しも聞いたことがあるであろう2冊の名著『ウォール街のランダム・ウォーカー』と『敗者のゲーム』それぞれの著者による共著ということで、まぁ間違いなくタメになる話を学べるのだろうと手を伸ばしてみました。
今回は第三章『一に分散、二に分散、三に分散』について、筆者の感じた点を含めまとめていきます。
第一章からご覧になりたい方は以下のリンクをご利用ください。
本書は以下のような方には是非オススメです。
- 投資の入門書を探している方
⇒タイトルの通り、入門書としてオススメの1冊です。 - 投資に関する情報が多すぎて何を信じればよいか悩んでいる方
⇒業界の重鎮と呼べる著者によって書かれた信頼のできる手法を学べます。 - 『分散投資』って何?という方
⇒分散投資の概要とその必要性について解説されています。
分散投資とは
今回取りあげる『分散投資』ですが、以下のように定義されます。
- 分散投資:
投資対象を特定の商品や市場に限定することなく広く分散させること。また、投資のタイミングも複数回に分けて行うことも分散投資の考え方に含まれる。
『タマゴは1つのカゴに盛るな』
という投資の格言を聞いたことがある方もいるかと思いますが、要するに、1つのカゴ(特定の銘柄や市場)にタマゴ(お金)を盛っておくと、カゴを落とした(株価が暴落した)際に全てを失ってしまうということを意味しています。
よく海外旅行に行く際に、お金をいくつかのサイフやポケットに細かく分けておくと、スリにあったときにリスクを最小限に抑えられるなんて話がありますが、それと同じことが投資でも言えるわけです。
分散投資の手法
次に分散投資を実際にどのようにして行うべきかですが、本書に書かれていることを筆者の理解をもとに4つに分類してまとめてみました。
銘柄の分散
『投資の大原則』の第二章においては『インデックス投資』が最適であると解説しました。
その背景の1つにアクティブファンドとの比較でのパフォーマンスの高さを挙げていましたが、そもそもパフォーマンスが高い理由の1つがこの『銘柄の分散』にあります。
例えば、先日以下の記事でエデュラボの株価が急落したことについて触れましたが、自分のお金を全てエデュラボだけに投資していたとすると、こういった暴落のリスクをもろに受けてしまうわけです。
一方で、多くの銘柄に分散して投資をしておけば、特定の銘柄が暴落した場合にも、他の銘柄が同様に暴落しない限りは、リスクを低く抑えることができるのです。
そして、インデックスファンドというのはその最たる例で、例えば筆者も投資をしている『SBI・V・S&P500インデックス・ファンド』を持つだけで、S&P500の構成銘柄すべてに分散して投資を行えるわけです。
市場の分散
次に『市場の分散』ですが、これは投資対象とする証券市場を分散することを意味しています。
仮に特定の市場が何等かの背景(政情不安や金融危機)によって市場全体が暴落した場合にも、複数の市場に分散して投資をしていれば、他の市場への投資分は暴落のリスクを回避できるというわけです。
実際には今日における各国市場は複雑に絡み合っており、特定の市場が暴落した場合、他の市場にも少なからずネガティブな影響が生じることも十分に想定されますが、原因となった市場と比較すればその影響は多くの場合少ないことが想定されるため、リスクを低く抑える手段として有用となるわけです。
先に挙げたインデックスファンドには、TOPIXやS&P500の他にも、FTSE Global All Cap IndexやMSCI All Country World Indexなど、世界中の株式市場を対象としたインデックスに連動する商品もあるため、こうした商品に投資することで、世界中の市場への分散投資が容易に実行可能となっています。
なお、筆者は米国が沈めば他国も同様に沈むとの考え方から、全世界市場への分散投資ではなく、米国S&P500Indexを投資の中心に据えています。
ちなみに、先に挙げたFTSE Global All Cap IndexとMSCI All Country World Indexのいずれも、その内訳の50%以上は米国市場を対象とした構成となっており、全世界分散といえども、米国市場の影響を大きく受けるということは知っておくと良いかと思います。
タイミングの分散
次に『タイミングの分散』ですが、これはまとまったお金を準備できたとしても、それを一時点でまとめて投資するのではなく、複数回にタイミングを分けて投資することを指します。
よく書籍でも登場するのが、定年退職をされた方が退職金を運用するために、1度にまとめて投資した結果、直後に株価の暴落が起き、退職金が大きく目減りしてしまうという事例です。
実際にこんな事態にあったらひとたまりもないですが、こうしたトラブルは投資のタイミングを分散させることでリスクを低く抑えることが可能です。
例えば、退職金は毎月1/12ずつ、1年間をかけて投資することで、仮に途中で暴落が起きたとしても、ダメージを受けるのはそれまでに投資をした部分に限定され、その後の投資分はむしろ安い価格で購入することができるわけですから、リスクの低減につながるというわけです。
(このケースでいうと1年後に暴落が起きた場合にはどうしようもないですが、そこまで考えるとそもそも投資するタイミングがなくなってしまうのでここでは考慮外とします)
このように、タイミングを分散させる投資の手法を『ドルコスト平均法』と呼びますが、詳細は以下の記事にまとめていますので気になった方はこちらもご覧ください。
商品の分散
最後に『商品の分散』ですが、これまで触れてきたのはいずれも株式への投資でしたが、株式だけではなく、債権や不動産、コモディティや仮想通貨など、複数の商品に分散して投資を行うことを指します。
商品を分散させることで、仮に世界的な株式市場の暴落が起きたとしても、債権など他の商品に投資をしていた部分については、その影響を回避することができるというわけです。
一般に株式と債権はその騰落が反比例し、株式が上がれば債権は相対的に下がる、株式が下がれば債権は相対的に上がる、という関係にありますから、両者にバランスよく投資することで、リスクを抑えることが王道の投資手法としてよく書籍などでも紹介されています。
ちなみに本書では、バランスが大切であるとしながらも、歴史的に長期的には株価というのは右肩上がりに上昇しているという実績から、長期間の運用が可能な若い世代、具体的には20代~30代ころまでは投資の100%を株式へ集中し、以降徐々に債権の比率を上げていくことが最適ではないかと触れらています。
筆者もこの助言の通り、投資のほぼ100%は株式に回しています。
さいごに
いかがでしたでしょうか。
今回説明した分散投資の考え方は、私たち日本人の年金基金を運用しているGPIFのポートフォリオリオにも適用されており、私たち個人投資家もマネをする価値のある考え方となっています。
GPIFの運用方針についてまとめた記事のリンクを載せておきますので、気になった方はぜひご覧ください。
次回は『投資の大原則』の第四章、「大きな失敗を避けよう」について解説していく予定です。
それではまた。
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