どうもこんにちは、じょんです。
最近ニュースで話題となっている、オリンピック関連での弁当の廃棄問題。
なんと、1日あたり数千食分の弁当が廃棄されているとのことで、
要因は複数あるのだとは思いますが、シンプルに廃棄されているのだとすれば、
食品の生産者、加工者だけでなく、環境にも悪影響を与えてしまっているわけです。
そんな中で目にしたのが『FUNDINNO』の新規投資案件。
廃棄物の熱分解装置『アースキューブ』を開発しているゾンデックス社。
この『アースキューブ』は廃棄物を磁気による熱分解をさせるとのことで、
焼却処理とは異なり、処理時のCO2排出を抑え、かつ、処理過程で化石燃料を用いないことから、
非常に環境に配慮された廃棄物処理が可能となるようです。
正しく、昨今のトレンドに則した案件ということで、既に気になっている方も多いのではないでしょうか。
今回はそんなゾンデックス社について、筆者が調べた結果をまとめていきます。
日本のゴミ償却率は世界一
私たちの生活とは切り離せない、環境問題。
食品を含む廃棄物を焼却することで排出されるCO2が問題となっており、
環境省によると、とりわけ日本は廃棄物を焼却することで処理するケースが多く、
なんと世界の焼却炉の約80%が日本に集中しており、ゴミ焼却率も世界一なのだそうです。
確かに筆者の感覚からすれば、『ゴミは燃やすもの』という認識を持っており、
恐らく同じように考える日本人は多いでしょうが、
グローバルスタンダードとは異なるというのが現実のようです。
では、世界の先進各国はどうしているのかというと、
コンポスト、つまりは『堆肥』とすることが主流だというのです。
筆者が卒業した学校にも、生ゴミを堆肥とするための大きな容器が校舎裏に設置されていた記憶がありますが、
焼却をすることなく、微生物による分解、そして堆肥として再利用する点にメリットがあるのです。
近年では土に還る素材という点が徐々に登場して起きており、
廃棄することにより生じる弊害を抑えることが世界的なトレンドとなっているわけです。
ではなぜ日本では焼却が主流なのかというと、やはり国土の狭さがあり、
要は『償却せずに埋め立てるだけの土地がない』ということが、
グローバルスタンダードから外れている大きな理由となっているようです。
そんな中で、従来の焼却による処理に頼らずに廃棄物を処理できる装置、
それこそが、『アースキューブ』なのだそうです。
このアースキューブと呼ばれる熱分解装置によれば、
装置の稼働には化石燃料を用いず、処理過程でのCO2排出量は焼却した場合より抑えられ、
廃棄物を最大約300分の1のセラミック灰に変えることが可能であり、
また、セラミック灰は畑の費用として再利用されるというのですがから、
熱分解には多くの利点があるということなのでしょう。
SGDsとの紐づき
先に挙げたCO2排出量の削減に加え、廃棄物を再利用可能な灰へとつくりかえ、
最終的に埋立てられるゴミの量自体も減らせるというのですから、
アースキューブは環境に非常によい装置といえるでしょう。
その点で、世界的なトレンドであるSGDsや脱炭素社会の実現に関して、
時流に沿った製品であるのは間違いないでしょう。
そんなアースキューブですが、既に販売実績もあるようで、
大手外食チェーンでは工場からでる廃棄物の処理に用いることで、
99%のゴミ削減を目標として取り組みを始めているのだそうです。
また、大手外資系製薬会社では、消費期限切れの薬品の廃棄に用いることで、
廃棄により生じる有害化学物質を抑えつつ、自社内での管理による分解が可能となっているとのこと。
取引先の企業名までは公表されていませんが、
このように実績が公表される点は投資家にとってはプラスの材料として捉えられるのではないでしょうか。
今後の展望
今後の展望として、どうやら国内市場に対してのみではなく、
アジアを中心とした海外展開も視野に入れているとのことで、
当然にゴミを上手く処理したい、しなければならないのは日本に特有の課題ではなく、
地球上全ての地域における課題といえますから、市場の広がりはそれこそ世界中といいうことになるのでしょう。
特に、地理的にも近く、またゴミ処理が社会的な課題として既に深刻な問題となっている中国は、
当社のターゲットマーケットとして非常に魅力的に映っているようで、
現在中国での特許申請を申請中とのことです(中国はすぐに模倣してきますから、特許の取得が急務となるのでしょう)。
そして、海外展開を経て、2026年にはIPOというのが当社の計画とのことですが、
海外展開をうまく軌道に乗せることが出来ればIPOも決して夢じゃないといえるのではないでしょうか。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
環境問題の解決に取り組むという、非常に社会的な意義のあるビジネスであり、
個人的には応援をしていきたい企業として考えています。
一方で、筆者が得た限定的な情報から考えるリスクについてですが、
FUNDINNOのサイトによれば、当社はアースキューブの生産能力を最大化させるための人員が不足しており、
現在人材採用を進めていると記載されており、
もしそれが事実であれば、いかに素晴らしいビジネスモデルであっても、
ビジネスをスケールする蓋然性にはややリスクありという捉え方をせざると得ないでしょう。
また、FUNDINNOを通じて得た資金の使途としては、FUNDINNOへの手数料を除き、
『熱分解装置の仕入費用』と示されており、上記人材不足を補うための使途は織り込まれていないことから、
やはり生産能力の拡大がネックとなる可能性は否定できないのではないでしょうか。
生産能力拡大への取り組みは先に挙げた、『人材採用を進める』以外には触れられていない点も、
やや不安材料として筆者は考えています。
是非とも当社には、生産能力を無事拡大させ、事業を軌道に乗せていってほしいものです。
投資は自己責任で。
それではまた。
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