【ついに決定。。】日本から2件の世界遺産登録の裏で海商都市リバプールが登録抹消

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どうもこんにちは、じょんです。

先日発表されましたが、日本の『奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島』、
及び『北海道・北東北の縄文遺跡群』が世界遺産に登録されることが発表されました。

前者は亜熱帯の森にアマミノクロウサギやヤンバルクイナなど、
貴重な固有種が数多く根付く生物多様性が評価されての登録とのことで、
日本では5件目となる『自然遺産』としての登録となりました。

後者は以下の記事にて簡単に触れていますので、興味がある方はご参照ください。

【登録目前!】日本から新たに世界遺産がうまれそうな件【北海道・北東北の縄文遺跡群】
日本から新たに世界遺産が登録されることがほぼ確実になったということで、 関連する自治体では非常に盛り上がっているという様子が伝えられています。 皆さんは【世界遺産】とは何かご存知でしょうか? 多くの方が言葉は聞いたことがあったり、ふわっとしたイメージをお持ちですよね。

私たち日本人としては大変喜ばしいニュースですが、実はその裏で、
2004年に世界遺産登録された『海商都市リバプール』が世界遺産としての登録が抹消されることが決定されたのです。

『えっ、一度登録された後に、世界遺産じゃなくなることってあるの?』

と思われる方もいるかと思いますが、今回は登録抹消について世界遺産のルールについて解説していきます。

世界遺産登録後にはモニタリングが必須!

世界遺産登録までに流れについては、以前に以下の記事で解説していますので、
興味がある方はこちらもご参照ください。

【登録目前!】日本から新たに世界遺産がうまれそうな件【北海道・北東北の縄文遺跡群】
日本から新たに世界遺産が登録されることがほぼ確実になったということで、 関連する自治体では非常に盛り上がっているという様子が伝えられています。 皆さんは【世界遺産】とは何かご存知でしょうか? 多くの方が言葉は聞いたことがあったり、ふわっとしたイメージをお持ちですよね。

世界遺産とは、端的にいうと、『優れた文化的・景観的な価値』を有する遺産のことを指すのですが、
登録の時点でこの価値を有していれば良いというわけではなく、
当然にその価値を将来に向けて保存していかなければいけないわけです。

そのため、世界遺産登録に向けた推薦書においては、登録後にどのようにして価値を保存していくかのアクションプランを盛り込む必要があり、
同プランに基づいたモニタリングの実施結果について、世界遺産の保有国は6年ごとに定期報告を行うことが義務付けられています

また、定期報告とは別に、世界遺産が何らかの危機に晒されていると判断された場合には、
世界遺産センター等により対象遺産のモニタリングが行われることがあります。

このモニタリングは『リアクティブ・モニタリング』と呼ばれ、世界遺産委員会の決議を踏まえて行われる必要があるのですが、
実際のモニタリングは当然に遺産の保有国の協力を得なければ有効に実施されないことから、
保有国の非協力的な場合等には、十分に機能しない可能性があるという面もあります。

いずれにせよ、登録したら終わり!というわけでは全くなく、
十分な保全措置を講じることが可能な資産についてのみ、
世界遺産としての登録が認められているわけです。

危機遺産リストとは?

先に挙げたモニタリングにより遺産が持つ優れた価値が保存されればよいのですが、
自然災害を含む様々な要因により、その価値が失われる可能性も当然に存在します。

そこで、優れた価値が失われる可能性がある遺産については、
『危機遺産リスト』と呼ばれるリストに原則として登録がなされ、
より重点的な管理・対応が求められることになるのです。

今回のリバプールの登録抹消前の段階では、
計52の遺産がこの『危機遺産リスト』に登録されていました。

ちなみにこの『危機遺産リスト』には現在日本の遺産は登録されていません

海商都市リバプール登録抹消の背景

では今回なぜ登録名『海商都市リバプール』が登録抹消に至ったのかですが、
そもそもリバプールが世界遺産として登録された背景として、
大英帝国の最盛期において国際貿易の中心地としての歴史を有しており、
当時の面影を残す街並みが評価された
点が挙げられます。

しかし、近年の再開発によりその港湾都市としての街並みは姿を変えつつあり、
サッカープレミアリーグのクラブチームの1つ、エバートンの新スタジアムの建設も同地区に予定されていることから、
これらの建設が世界遺産としての正当性と一体性を損なうとして登録が抹消されるに至りました。

実はこの登録抹消、ルールとしては存在するものの、実際には今回のリバプールでまだ3件目と、
登録が抹消されるケースは非常に少なく、リバプール側としても、
登録が抹消される可能性は低いと少し甘く見積もっていたのではないかというのが筆者の視方です。

おわりに

いかがでしたでしょうか。

今回日本から新たに登録された遺産を含め、
せっかく登録されたからには、登録抹消という事態は避けてほしいところ。

私たち日本人としても、旅行で訪れる際には、その価値を損なうような行動は絶対にしてはいけませんね。

それではまた。

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