どうもこんにちは、じょんです。
前回解説した固定資産の『減価償却』について、
今回は関連する論点の補足をしていきます。
土地は減価償却しない
前回の解説で、減価償却とは、価値の下落を会計上反映させる手法として説明しました。
例えば、工場の建屋や機械なんかは時間の経過や使用に伴い、
その価値が下落していくというのは皆さんもイメージ出来るところかと思います。
では、『土地』はどうでしょうか?
時間が経過すれば、その価値は下落するでしょうか。
もしくは使用すれば、その価値は下落するでしょうか。
(というよりそもそも使用するということがイメージできるでしょうか。)
少なくとも会計の世界においては、土地というのは基本的には、
時間の経過や使用に応じて価値が下落しないものと捉えられています。
従い、減価償却は土地に対しては適用されません。
機会があればご覧いただければと思いますが、上場企業なんかの貸借対照表を見ると、
土地については減価償却累計額が設定されていないことが確認出来るかと思います。
年度内に購入した固定資産の償却方法
前回の解説においては、簡略化のため、固定資産の減価償却は年単位で計算をしていましたが、
例えば、12月決算の会社において、7月1日に固定資産を使い始めた場合には、
減価償却費の計算はどのように行えばよいでしょうか。
正解は『月割計算をする』ということになります。
例えば、1億円の機械装置を購入し、10年間にわたって償却を行う場合、
1年間の償却費は1,000万円(=1億円/10年間)となります。
先ほどの例では、7月1日に固定資産を使い始めたわけですから、
該当の会計年度においては、7-12月の6か月分が経過したことになり、
償却費としても、年間1,000万円の6か月分、つまり、
500万円が該当の会計年度の償却費として計上されることになるのです。
これが、『月割計算』の考え方です。
ちなみに細かいですが、上記の例の表現として『使い始めた日』というのが実は地味に重要となります。
なぜかというと、固定資産は、その使用を開始したタイミングから償却が開始されることになるからです。
別の言い方をすれば、購入したタイミングから償却が開始されるわけではないのです。
では『月割計算』からもう一歩進んだ『日割計算』についても説明します。
もうお気づきかと思いますが、これは、月の途中に使用を開始した場合、
開始日から期末日までの日数に応じて、減価償却費を算出することを指します。
ただし、簿記の試験においては、使用を開始した日が属する月を使用開始月とみなして月割計算をさせることも多く、
問題文の指示に従った計算が求められることになります。
例えば6月30日に使用を開始した場合、以下の2パターンが考えられるということです。
➀6月から使用を開始したと捉え、6-12月の7か月分の償却費を月割計算するケース
◆償却額=年間償却額x7カ月/12カ月
➁6月30日から12月31日までの使用日数(185日)に応じて償却費を日割計算するケース
◆償却額=年間償却額x185日/365日
本件に限らず、問題文には重要なポイントがしれっと含まれていますから、
普段問題を解きなれていたとしても、必ず問題文はしっかりと目を通すようにしてください。
今回のまとめ
いかがでしたでしょうか。
減価償却に関する補足の解説を行いましたが、
2級以上になると固定資産はその他にも多くの論点が新たに試験範囲に加わりますので、
まずはその基礎となる3級の知識をしっかりと身につけてしまいましょう。
今回のポイントは以下の通りです。
- 土地は減価償却を行わない
- 減価償却は月割計算、日割計算が必要となる場合がある
- 償却の前提は問題文で指示されるので見落とさない
それではまた。
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