簿記を学ぶ上で絶対に覚えるべき3つのルール-その②【簿記3級解説#3】

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どうもこんにちは、じょんです。

今回は簿記3級解説の3回目ということで、前回に引き続き、
簿記を学ぶ上で絶対に覚えるべき3つのルールに2点目として、

仕訳の借方/貸方の使い分け

について解説していきます。

そもそも借方/貸方とは何か?

まずは借方(かりかた)と貸方(かしかた)とは何かですが、

借方:仕訳の左側
貸方:仕訳の右側

のことと理解してください。

ここで前回までのおさらいですが、”仕訳”が何かについては覚えていますか?

そうですね、仕訳とは会計帳簿に記録される企業の事業活動の記録1つ1つを指します。

そして前回で説明した通り、仕訳には必ず『金額』と『勘定科目』がセットで含まれますが、
実はこのセット、
必ず仕訳の左側(つまり借方)と右側(つまり貸方)に最低でも1セットずつ含まれるんです。

前回もお示しした従業員に給料20万円を払った際の仕訳は以下の通りですが、
左側の人件費と右側の現金とがのっていますよね?

借方 貸方
勘定科目 金額 勘定科目 金額
人件費 200,000円 現金 200,000円

このように全ての仕訳は借方と貸方の双方を含んでおり、
借方だけ、もしくは貸方だけという仕訳は存在しません。

ちなみに、このように借方と貸方とがセットとなって仕訳を構成する仕組のことを『複式簿記』といいます。

ここでいう”複式”とはつまり複数の勘定科目を1つの仕訳で取り扱うことを意味しており、
対となる考え方として『単式簿記』と呼ばれる仕組みも存在します。

こちらは単一の勘定科目についてのみ情報が記録されていくことを指しており、
分かりやすい例として普段皆さんがつけている家計簿が挙げられます。

家計簿をつける際は皆さんのお金という一つの勘定科目についてのみ、その動きを記録していきますよね?

仕訳の借方/貸方の金額は必ず一致する

先ほど示した給料を支払う際の仕訳を少し変化させます。
先ほどは給料の支払のみを仕訳で表しましたが、同時にオフィスの家賃50万円を現金で払った際の仕訳は以下のようになります。

借方 貸方
勘定科目 金額 勘定科目 金額
人件費 200,000円 現金 700,000円
賃借料 500,000円

さて、この仕訳における借方と貸方はいずれも70万円と一致していますよね?
このように全ての仕訳の借方と貸方それぞれの合計金額は必ず一致します
(追って説明しますが、場合によっては借方と貸方の差額を特定の勘定科目の金額として算出します。)

ちなみにこの借方と貸方が一致することを実務上は
『貸借(たいしゃく)が一致する』
もしくはシンプルに
『バランスする』
とよく表現します。

経理部なんかではよく聞こえてくる表現ですね。

勘定科目の区分による借方/貸方の意味

最後に、前回解説した勘定科目の区分、すなわち、
資産、負債、純資産、収益、費用
の5つについて、仕訳の借方/貸方に配置された際の意味が明確に決まっているんです。

この意味について、最初は覚えるのは少し難しいかもしれませんが、
簿記の勉強を進めるうえでは避けては通れない壁のようなものですので、
ここで覚えてしまいましょう。

区分 借方 貸方
資産 増加 減少
負債 減少 増加
純資産 減少 増加
収益 減少 増加
費用 増加 減少

再度給料を支払った際の仕訳を例に挙げますが、
人件費というのは”費用”項目であり、そして、費用が記録される(増える)わけですから、
先ほどの組み合わせを見れば借方に記録されるわけです。

一方で現金というのは”資産”に区分され、支払うことで減ってしまうわけですから、
仕訳においては貸方に記録されるわけです。

借方 貸方
勘定科目 金額 勘定科目 金額
人件費 200,000円 現金 200,000円

今回のまとめ

いかがでしたでしょうか。

今回は簿記を学ぶ上で絶対に覚えるべきルールの2回目として解説を勧めました。

今回覚えていただきい点は以下の通りです。

  • 仕訳には必ず『借方』と『貸方』がセットになっている(借方のみ、貸方のみの仕訳は存在しない)
  • 借方と貸方それぞれの合計金額は必ず一致する
  • 勘定科目の5つの区分の増加/減少は借方/貸方のいずれに配置されるかによって表される

次回は簿記を学ぶ上で絶対に覚えるべき3つのルール-その③として、
仕訳の対象となる取引について説明をしていきます。

それではまた。

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