どうもこんにちは、じょんです。
前回の記事で取り上げた『J-Startup』ですが、
今回は対象企業の1つである『ユカイ工学株式会社』について取り上げていきます。
なぜこの会社を取り上げるのか?
答えはシンプルで、社名がユニークだったからという点につきます。
英語表記で『YUKAI ENGINEERING』ですからね。
何やらユカイなことをしてくれる会社なのかと調べてみると、
まさに世界をユカイにすることをビジョンとして掲げていたわけです。
それでは、そんなユカイな世界を目指す同社について筆者が調べてみた結果をまとめていきます。
世界をユカイに変えるスペシャリスト集団
『ロボティクスで、世界をユカイに。』
タイトルにも記載したこちらが当社のビジョンとして掲げられています。
当社の代表によると、ロボットを
「心を動かし、人を動機付けすることのできるインターフェース」
と定義しており、人の行動をトリガーとして、まるで生き物と触れ合うようなやり取りを、
機会と出来るようになる世界が訪れると見込んでいるそうです。
これを見て筆者が思い出したのが、一時期話題になったロボット犬の『aibo』でした。
人々がaiboを生き物のように扱い触れ合う様子はテレビを通じてよく目にする光景であったと筆者の世代であれば覚えがあるのではないでしょうか。
今後は各家庭において、コミュニケーションロボットが人々の生活をサポートとしてくれるというのですから、
aiboのように家族のように触れ合うためのロボットではなく、より生活に浸透する活躍が見込まれるということなのでしょう。
そして、後程詳細は説明しますが、このように生活に密着するであろうロボットですが、
当社のロボットはなんといっても非常にかわいらしい見た目をしており、確かに生活に『ユカイ』を取り込んでくれそうなのです。
ユカイな製品たち
当社が既に販売をしている主力商品は以下の3つのようです。
BOCCO
2015年に誕生し、この7月で6歳を迎える『BOCCO』。
見てくださいこの出で立ち。
いかにもロボットという姿をしながら、柔らかく愛らしい雰囲気を纏っていますよね?
もともとこのBOCCO、両親が共働きでいわゆる「鍵っ子」と呼ばれるお子さんやご高齢の方を見守るために作られたのだそうですが、
一家に一人、このBOCCOがいれば、遊び相手として、また、話し相手として家族を助けてくれることでしょう。
このBOCCOに話しかけた内容は、音声メッセージとして認識され、
スマートフォンからはテキストか音声で送信ができるとのことで、
例えば田舎のおじいちゃんおばあちゃんからすれば、BOCCOに話しかけることはすなわち、
子供や孫に話しかけることと概ね同義となるのですね。
ちなみにこのBOCCO、マルっとしたフォルムとともにパワーアップしたBOCCO emoという製品も既に登場しており、
どちらも甲乙つけがたいかわいさとなっています。
Qoobo
『心を癒す、しっぽクッション』として発売されているQoobo。
しっぽがついたクッションの形をしたこちらのQooboですが、
そっと撫でるとフワフワと、たくさん撫でるとブンブンとしっぽを振ってくれるクッションなのです。
シンプルな仕様ながら、高齢者介護現場等の実証時実験において、
ストレスオフ効果、ポジティブ反応効果が確認されているということで、
ストレス社会への癒しを提供してくれる優れたロボットなのです。
価格も税込み13,200円と手の届く水準感であり、
独居高齢者へのプレゼントとしても重宝するかもしれませんね。
教育シリーズ
最後に紹介するのが、子供向けのロボット制作キットである教育シリーズ。
2020年から小学校で必修化されたプログラミング教育の開始にあわせて、
工作的感覚で創造性豊かにロボットづくりや操作を楽しめるように企画されたとのことで、
夏休みに親子で取り組むのにちょうどいい一品なのではないでしょうか。
価格も3,000円前後とお手頃であり、筆者も息子のために購入を検討しています。
今後の展望
これまで説明してきたように、当社の商品は非常にユニークなもので、
筆者としても共感を得られるものが多数ありました。
一方で、これらのプロダクトが世界的にヒットするかと問われれば、
恐らくその可能性は決して高いとは言えないでしょう。
ではなぜ当社がJ-Startup企業として認証されたのか?
筆者の考えは、当社の開発力が他の企業のイノベーションを促進させる可能性を秘めている点にあると考えます。
当社のWEBサイトには、先に述べたプロダクトの紹介の他に、
『製品開発支援』として、他企業が実現したいビジョンやコンセプトを基に、
プロトタイピングから量産までの支援を行っている例が数多く挙げられています。
また、製品開発支援のみではなく、『事業開発支援』として、
企業の事業開発についても、当社が有するコンセプト設計等の企画力、
先にも挙げた開発力、ロボティクスメーカーとしての調達力を基に、
プロジェクトの支援を行っているというのです。
この事業開発支援の事例が当社のWEBサイトに掲載されているのですが、1つ紹介させて頂くと、
地域ごとの防災情報発信システムを提供するNTTアドバンステクノロジ社、
家庭のテレビにプッシュ型の情報提供を行うCueform社との提携が挙げられます。
東日本大震災を機にこれからの防災システムを再考する必要性が生じていたところ、
所謂若者であれば非常時に情報への接触を比較的容易かつ迅速に行える一方、
高齢者独居世帯へ防災情報を効率的に伝えるにはどうすればよいのかという課題があるわけです。
この点、防災専用システムや機械の運用には当然にコストがかかりますから、
現実的に対応が限定されるという側面も生じてしまうわけです。
そこで登場するのが先にも説明した当社の『BOCCO emo』。
日常・非日常における利用のハードルをなくすことで、
BOCCO emoを非常時における情報発信端末として利用することを検討しているということと読み取れました。
(詳細まではWEBサイトには記載がございませんでした。)
その他、事業開発支援の分野では多くの大手企業との提携実績があるというのですから、
この点において、日本の産業を飛躍させるポテンシャルを秘めていると言えるのではないでしょうか。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
最後に取り上げた防災に関する取組については、地震だけでなく、
近々問題となっている大雨に起因する自然災害を含め、
対応として必ず必要になる領域であり、筆者だけでなく、国全体をして期待している分野と言えるでしょう。
近い将来、地方自治体が独居高齢者世帯にBOCCO/BOCCO emoを支給するような未来がくるのかもしれませんね。
それではまた。
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